撮影って、けっこう大変なんです!プロを目指すなら知っておきたい動画撮影の「流れ」
これから動画制作をやっていきたいという方は、まずは動画の撮影ができなければいけません。
でも、動画の撮影といっても、何をどのように手をつければいいのか分からない、という方も多いんじゃないでしょうか。
そう、動画の編集はある意味パソコン1台でできますが、撮影というのは、けっこう色々な準備や段取りが必要なんです。
今回は、動画撮影がどういうものかを知っていただくために、その一連の流れをご紹介します。
なお、それぞれの項目について詳しい解説やノウハウは省かせていただきます。
それは、今後ページを作っていく予定ですので、お楽しみに!
【目次】
1:企画のアイデア出し
まずは、動画企画のアイデア出しから始めます。
この時に、簡単な絵コンテを作ります。
面白い企画作りはどうやって作るのか?
それについては、こちらを参考にしてください。
おもしろい企画を考える人は何が違う?稼ぐ企画ディレクターが教える、企画の作り方4つのポイント
2:企画の決定
今回制作したい動画の企画書や絵コンテを、クライアントに提出します。
提案したものの中からクライアントに「面白い!」「やりたい!」と気に入ってもらえれば、制作決定となります。
提出したものがそのまま通ることもあれば、クライアントの要望に合わせて修正したりすることもあります。
この、企画書の「書き方」にもいろいろノウハウがあるんですが、それはまた別の機会に…
3:撮影準備
提案した企画書にもとづいて、撮影準備をします。
ここであげている(1)~(7)は、順番に一つずつやるのではなくって、いくつもの準備作業を並行して進めないといけません。
撮影準備では、とても多くの業務をこなす必要があります。
「段取り八分」というように、動画制作に限らず、何事も準備が大事ということですね。
(1)スケジュール作成
まずはスケジュールから。
準備から撮影完了までに何をやるのか、また人や物の手配を、時間軸で計画していきます。
(2)シナリオ作り
動画のシナリオ(台本)を作ります。
シナリオの書き方というのもあるんですが、またどこかでご紹介しますね!
パソコンでシナリオを作る時には、ぜひおすすめしたい便利ツールがあります。
「O’s Editor(オズエディタ)」というテキストエディタです。
ワードとかの一般的なワープロソフトと違って、「シナリオ機能」がとても充実しているのがポイント。
O’s Editorについて詳しくは、公式サイトをご覧ください。
http://ospage.jp/soft/oseditor2/oseditor2.html
(3)絵コンテ作成
ここで作る絵コンテは、企画提案時の簡単なものでなく、実際のストーリーを追った詳しいものになります。
(4)ロケハン(ロケーションハンティング)
ロケハンというのは、撮影をする場所、「ロケ地」を探すことです。
出来上がったシナリオに沿って、撮影できる場所を探さなければなりません。
ホームドラマ的なものなら一戸建ての家、ビジネスシーンの一幕であればオフィスビル。
店舗やカフェを使うこともあります。
また、その施設や建物に、撮影許可を得る必要もあります。
連絡をとって、動画制作の企画書を出して、撮影の目的や撮影期間、どこに出品するかなどを伝えたりします。
それとロケハンとあわせて、撮影場所の駐車場がどこにあるかは絶対に確認しておきましょう。
これ、忘れてると、当日けっこう大変だったりします。
駐車場はうっかり忘れやすいポイントですね。
(5)役者探し
動画に登場してもらう役者も探さねばなりません。
募集の方法は、劇団に声をかけたり、ネットで募集したり、いろいろです。
劇団といってもピンからキリまであって、子役が多いところとか、それぞれに特色もあります。
個人の人脈で集めるのが、選択肢は少ないけど一番いいかもですね。
あと、書類選考して、オーディションする場合もあります。
報酬もケースバイケースです。
広告動画だったら多いのは3万円で半年縛り(その映像は半年間しか使えない)。
自主制作の映画とかだと、出たい人がいっぱいいるので1万円くらいで期間は関係ないとか。
(6)小道具
撮影に必要な小道具も準備します。
長編の映画だと、「香盤表(こうばんひょう)」といって、シナリオの、各シーンごとに必要な小道具とか衣装を書き出した表を作ったりします。
(7)サンプル動画見直し
これは、私が個人的に「やったらいいな」と思うことなんですが、撮影しようとしている映像に似たようなサンプル動画を探して、見直して、何か参考にできる(パクれる)ところはないか、と撮影前に準備しておくんです。
ホラー映画を作るなら、別のホラー映画作品をもう一回見直すとかね。
4:撮影当日
(1)朝
まず最初は、スタッフ全員集めて朝礼。
「今日はこういう目的で、こうやって撮影していきます」
「よろしくお願いしまーす」
とか、円陣組んでやったりします。
これは経験上、絶対にやったほうがいいですね。
現場がなごむんです。
(2)リハーサル
撮影前のリハーサルです。
その場で役者さんに演技してもらって、カメラマンに「このシーンは、こういうふうに撮ろう」というのを確認します。
色々なアングルで撮影するので、3~4回やってもらったりします。
(3)撮影開始
本番の撮影です。
シナリオにしたがって、リハーサルで確認したように撮影を進めていきます。
他でも書きましたが、撮影の仕方は基本的に「引き」から「寄り」。
それと、あとで編集でつなぎやすいように、あるカットを撮影する時は、できるだけその直前のカットの終わりから、演じてもらうようにしています。
撮影時間に合間があいたら、とにかく周りの風景を撮っています。
これを撮っておくと、あとで編集の時に使える素材になるんで。
撮影の時に、監督として気を付けるポイントというのもたくさんあります。
これだけでまた1ページできちゃうくらいなんですが、ここでは、私が心掛けていることを簡単に2つだけご紹介しておきます。
撮影が終わったら、役者さんをめっちゃほめる。
「今の、めっちゃ良かったですね~!」って。
やっぱり誰だって、ほめられたらノッていけますもんね。
テイクは少ないほうがいい
同じシーンの撮影を、私はできるだけ3テイク以内で納めるようにしています。
あんまり回数重ねても、あとで見たら結局何が違うか分からなかったりするもんです。
これは監督さんによって色々考え方があると思いますが、少なくとも役者さんは「めちゃやりやすい」と言ってくれます。
(4)終礼
撮影が終わったら、スタッフを集めて終礼です。
そこでクライアントさんと写真撮ったりします。
撮影というのは非日常でもあり、クライアントさんとのコミュニケーションがむっちゃ取れる場なんです。
(5)データバックアップ
撮影を終えて帰ってきたら、絶対その日のうちに撮影データのバックアップデータを取ります。
そしてデータの入ったSDカードは、納品が終わるまでは置いておく。
万が一、撮影データを消したりなくしたりしたら一大事ですからね。
実は私も1回だけ、そういう経験があります。
残したと思っていたデータが何個か、パソコンに入っていなくて。
もう青ざめて、必死に頭下げて、再撮影させてもらいましたけど…。
そこからデータ管理をすごい厳重にするようになりました。
データ管理のやり方は会社によって違うと思いますが、とにかくしっかりと管理しておきましょう。
5:編集
撮影データをもとに、パソコン上で動画制作します。
これもお伝えしたいノウハウはたくさんありますので、またどこかでお伝えできればと思います。
まとめ
一つの動画撮影の準備から完了までに、撮影者がやることは、思った以上にたくさんあります。
もちろん最初から全てカンペキにできるはずはありません。
私も今でも、あわただしい撮影の中で、肝心なことが抜けてしまったりすることもあります。
まずは基本的な全体像をつかみ、これから撮影の経験を積み重ねる中で、やるべきことを身に付けていってくださいね。
以上、「撮影って、けっこう大変なんです!プロを目指すなら知っておきたい動画撮影の「流れ」」についてでした。