CMにも映画にも使える!超簡単シナリオの書き方②魅力的なセリフとは?
シナリオとは?
映画やテレビなどの場面構成や人物の動き・セリフなどを書き込んだものをいいます。
映画でもドラマでもCMでも、ストーリー仕立てのものには必ずシナリオが存在します。
役者さんはそれを元に演技を作り、セリフも前もって覚えて、撮影に臨みます。
そんな映像制作には欠かせないシナリオ!
前回(第1弾)は、シナリオの概要や書き方についてお話しました。
今回は少し突っ込んで、「セリフ」についてのお話をします!レッツ・プレイ!
【目次】
1.セリフとは
2.セリフの機能
3.良いセリフ
4.悪いセリフ
5.まとめ
1.セリフとは
前回のおさらいです。
「セリフ」とは、登場人物が話す言葉のこと。
良いセリフを書くことができれば、あなたの作品は魅力的になり、観ている人を感動させることができます。
ただしその分、書く上で一番難しいとされるのも、セリフです。
2.セリフの機能
良いセリフを書くためにはまず、セリフの機能を押さえておさえましょう。
セリフの機能は、
①事件・事実を知らせる
②人物の心理・感情を表す
③ストーリーを進展させる
の3つです。例えばこんなセリフがあったとします。
記者「大阪でトランプ大統領がお忍び旅行しているとの情報が入った。久々に血がたぎるな。今すぐABCホテルに向かうぞ」
この場合、「大阪でトランプ大統領がお忍び旅行しているとの情報が入った」で事件・事実を説明しています。「久々に血がたぎるな」で人物の心理・感情の説明を、「今すぐABCホテルに向かうぞ」はストーリーを進展させるための説明となります。機能を踏まえたセリフを確認してみると、重大なことに気づくはずです。
それは、セリフが①~③の機能を満たす「説明」であるということです。実はセリフは元来、「説明」という宿命を持っているのです。
無意識にセリフを書いてしまうと、説明っぽくなってしまうのです。
では、どうすれば良いか?良いセリフを書くためのポイントを次章でお伝えします。
3.良いセリフ
良いセリフを書くポイントは、登場人物のキャラクターを押さえることです。
そのキャラクターがどんなことを言うのかを前提にセリフを考えると、良いセリフが生まれます。
「殺してやる!」というセリフ一言でも、黒沢明監督作の映画「用心棒」の主人公・桑畑三十郎が剛直だからこそ、包丁片手に「刺身にしてやる!」というセリフになりますし、小津安二郎監督作の映画「東京物語」の原節子演じる紀子は、誠実な性格だからこそ戦死した夫のことを忘れられない。そのことを義理の父母に「戦死した夫のことを忘れることができないんです」というセリフではなく、「私、ずるいんです」というセリフが生まれるのです。
良いセリフを描くためには、登場人物のキャラクターを作り込み、理解する必要があります。
魅力的なキャラクターを作る方法は、別の記事でご紹介しています。知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
あなたの動画企画を3倍面白くする!魅力的な「キャラクター」の作り方
登場人物のキャラクターが出来たら、「こんな性格の登場人物ならこう言うかな?」をとことん考えてみて下さい。思いつかない時は、「とりあえずこれを言わせたい(上記の①②③参照)」を書き留めておいて先に進むのもコツの一つです。
ストーリーが出来てきたら良いセリフが思い付く、というのもよくあることです。
ポイントは、セリフは妥協せず、登場人物のキャラクターを踏まえて考え抜く、ということです。
4.悪いセリフ
逆に、悪いセリフとは何でしょうか?悪いセリフとは、「説明臭い」セリフのことです。
無意識にセリフを書いてしまうと、説明臭くなってしまうのが常です。説明臭くなっている場合は、下記の「セリフの種類」に該当している可能性があるので、チェックしてみましょう。
独白セリフ
一人語りです。
「あーお腹へったなぁ。中華も良いけど、和食も好きだ。よし、どこかに良いお店探そう!」
舞台や作品の世界観によっては独白セリフが活かされるものもありますが、通常上記のような独白セリフでは、観客へ伝えるためだけの不自然な「説明」になってしまいます。
英会話セリフ
英会話セリフとは、英語の教科書等でよく目にする問い、答え、問い、答えのやりとりで紡がれるセリフです。
「泳ぎは好きですか?」「ええ、とても好きです」
「泳ぎはうまいですか?」「うまいと思います」
「ふつうどこへ行きますか?」「江の島です」
こちらも無意識に使ってしまうと、あらかじめ決められた答えを引き出すためだけの「説明」になってしまいます。観ている方は面白くありません。
これら説明臭いセリフからは、登場人物のキャラクターが感じ取れません。キャラクターが感じ取れないセリフは、魅力的なセリフとは呼べないのです。
5.まとめ
魅力的なセリフを書くのは決して簡単なことではありません。
ですが、理屈を分かって考え抜くことができれば、良いセリフを書くことは可能です。
後世に受け継がれるような名セリフを書けるよう、私自身も精進していきます!